2025年6月開催の第24回デジタルアーカイブ研究会(主催:デジタルアーカイブ研究会、岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究会、特定非営利活動法人日本デジタルアーキビスト資格認定機構)において、PONDALIZEメンバーの木村京子が登壇し、「沼の記憶を編む:感性に根ざした地域文化アーカイブの試み ―DAOとPAIを活用した参加型記録のプロトタイピング―」というテーマで発表しました。
🗂 イベント概要
- 日時:2025年6月22日(日)14:00~17:00
(詳細は公式プログラム参照) - 開催形式:オンライン
- 主催:デジタルアーカイブ研究会、岐阜女子大学デジタルアーカイブ研究会、特定非営利活動法人日本デジタルアーキビスト資格認定機構
- プログラム一覧・レジュメ集:大会には多様な発表が並び、PONDALIZEの登壇はその中の第5セッション(15:20~15:40)でした。
📌発表概要
タイトル:
沼の記憶を編む:感性に根ざした地域文化アーカイブの試み
―DAOとPAIを活用した参加型記録のプロトタイピング―
主な内容:
- 比企丘陵の沼地を文化的コモンズとして捉える視座
地形・自然・伝統・暮らしの記憶を編む「地縁的アーカイブ」構想 - DAO/PAI を活用した参加型アーカイブ構想
- PONDALIZEの醸してきた国内外コミュニティとの連携
- DAO(分散型組織)による記録記述の民主的運営
- PAI(ポンダラ〜AI)による感性プロンプト生成と収集
- プロトタイプ実装事例
- 読者参加型「共感コメント収集」
- 香り・音・地図・語りをつなぐ感性フィールドワーク
- note連動による記録の可視化と相互生成
- 質疑応答および参加者との対話
- 専門家・学生・実践者からのフィードバック
- 「DAOによる地域アーカイブの永続性」「PAIによる感性の定着」は特に注目の声
🔍発表の特徴と学び
- 多様なメディア間を行き来する「ハイブリッドアーカイブ」
文章・音声・香り・画像・参加の記録が、つながりながら場を編むように生成される構造が評価されました。 - 感性と制度のあいだをつなぐプロトタイピング
DAO/PAI の組み合わせが、硬直した「記録」の概念に、“ゆらぎ”“交流”をもたらす手触りを持っていると注目されました。 - 手続き的な民主主義と文化の共創性との融合
専門家にとっても新鮮だったのは、地域住民とアーティスト・研究者が同じ「ものさし」で語り合い、記録し、評価し合うプロセスができている点です。
🌱今後の展望と広がり
この登壇をきっかけに、学会関係者や参加者との連携の機会が生まれつつあります。現在模索されているのは以下の方向です:
- DAOモデルを用いた継続可能な地域アーカイブ運営
- PAI技術を組み込んだ感性記録の半自動化・再生成
- 専門家による制度設計と地域実践の協調体制
- 他地域・他分野における横展開と比較研究
📘資料と関連リンク
- プログラム(第24回研究会)
- レジュメ集(PONDALIZE登壇資料含む)
- PONDALIZE Website(展示など、各種記録との連携予定)
今回の発表は、デジタルとアナログ、手続きと感性、個と土地をつなげる挑戦として、非常に意義深く進展しました。
今後も実践を重ねて、DAO・PAI・香り・土地という接続点から、アーカイブの未来を編み続けていきます。