2025年6月29日(日)に開催された、第5回DAフォーラム(主催:デジタルアーカイブ学会)に、PONDALIZEより木村京子が登壇し、以下のタイトルで発表いたしました。
[13] 地域文化の記録と共有:DAO と PAI を活用した「沼の文化的コモンズ」の試み
―比企丘陵の沼地をめぐるアート・環境・文化活動のデジタルアーカイブ実践から
🗓 フォーラム概要
- 開催日時:2025年6月22日(日) 13:00~16:00
- 主催:デジタルアーカイブ学会
- 形式:オンライン
- プログラム掲載:第13番目の発表として、セッション1(13:10~13:55)(座長 宮川 創)で登壇
- 関連資料:予稿集・抄録集は公式サイトにて公開
▶️木村の予稿PDF
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsda/9/s1/9_s9/_pdf/-char/ja
📚発表内容と視点
本発表では以下のポイントを中心にお話ししました:
- DAO と PAI を活用した地域アーカイブの構造設計
アート・香り・記憶を編む参加型プロトタイピングを、制度化の仕組みと重層的に接続する構想。 - 「沼の文化的コモンズ」概念の提示
湿地帯に埋まる民俗記憶を対象とした、共有知の生成と持続性をテーマにした試み。 - デジタルアーカイブの多声的メディア性
写真、テキスト、音声、香り、地図、生成AIによるプロンプトなど、感性を含む多様なアーカイブ素材の活用。 - 実践プロジェクトの成果と課題
DAO運営の課題(モデレーション・合意形成)、PAIによる自動生成の可能性と限界。
地域と専門家、AIが交錯する軌跡を基に、次段階の展開を提案。
🚀反響と対話の広がり
フォーラム終了後、多くの研究者や参加者から以下のような関心が寄せられました:
- DAOによるアーカイブ運営の永続性と参加者間合意形成
- 香り・音など非可視的素材を含むマルチセンサリー・アーカイブ設計
- 地域文化のデジタル共有に向けた制度と技術の統合モデル
また、今後の共同研究・実証実験・国際比較研究への可能性も示唆されました。
🌱今後の展望
このフォーラムを契機に、以下のような取り組みを進めてまいります:
- DAOプラットフォームを活用した地域参加者との継続的協働
- 香りを含む感性素材の取扱いに対する評価尺度の開発
- 他地域・海外の沼文化との比較・連携研究
- デジタルアーカイブ分野とPONDALIZEの制度設計・実践事例としての論文化
📎関連リンク
今回の発表は、「沼」をメディウムとして表現し、デジタルアーカイブの理論と実践をつなぎ直す重要な一歩となりました。
PONDALIZEは今後も、DAO・PAI・感性素材・地域とともに、その歩みを深めていきます。