「忘れられがちな故郷」をネットに取り戻す——チョクトー・ネイションが公開した“Indigenous Alabama”が示す包摂的文化保存

今朝の沼ニュース 2026-01-12

先住民族の歴史は、資料が散らばっていたり、研究者や行政の“定番の見方”に回収されてしまったりして、地域から見えにくくなりがちです。そんな中、チョクトー・ネイション(オクラホマ州)が、アラバマ州西部を中心とする先住民史・文化の資料をまとめた新しいオンライン・リソース「Indigenous Alabama」を公開しました。考古・人類・地図資料を“使える形”で共有し、文化資源の保護と教育に直結させようという取り組みです。

「ミシシッピだけじゃない」——アラバマにあるチョクトーの歴史を可視化

記事ではまず、「チョクトーの故郷=ミシシッピ」というイメージは間違いではない一方で、歴史の重要な章はアラバマにも書かれてきたと強調します。そこで立ち上がったのが「Indigenous Alabama」。チョクトー・ネイションの視点から、アラバマの地に残る歴史・文化・遺産を紹介し、忘却を防ぐことを目的にしています。

大学×交通局×部族の連携で、研究にも実務にも役立つ“資料ハブ”に

このサイトは、サウスアラバマ大学アラバマ州交通局(ALDOT)、そしてチョクトー・ネイションの歴史保存部門(Historic Preservation Department)の連携で構築され、考古学・人類学・歴史地図などの「注釈付き資料」を収録しています。さらに、そもそもこのリソースは文化資源管理(CRM)業務で参照できるように、つまり“現場で使える形”を強く意識して作られた点が重要です。

デジタル公開は「包摂的文化保存」への一歩——“知る”が保護を強くする

「Indigenous Alabama」は、米国の文化財保護手続き(Section 106 のコンプライアンス考古学)をより適切に行うための“近道”として、検索・閲覧できる研究ライブラリのように設計されています。アイテム(資料)ごとにメタデータ、要約、注釈、関連リンクを整理し、センシティブな情報(人骨や副葬品など)を含む可能性がある資料は明示しつつ、アクセス申請の導線も用意しています。こうした作りは、単なるデジタルアーカイブではなく、当事者の視点と配慮を組み込んだ「包摂的文化保存」の実践として注目できます。


まとめ

チョクトー・ネイションの「Indigenous Alabama」は、地域史のデジタル化にとどまらず、“正確に知ること”を文化資源保護の力に変える取り組みです。資料を一か所に集約し、注釈で読み解きの道筋まで示すことで、研究・教育・CRMの現場がつながりやすくなる。デジタル公開が、先住民族の主導性と文化遺産保護を後押しする好例として、今後の広がりにも期待したいところです。

参照:https://www.choctawnation.com/news/iti-fabvssa/indigenous-alabama-digital-resources-for-research/https://www.choctawnation.com/news/iti-fabvssa/indigenous-alabama-digital-resources-for-research/


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