今週の沼妖精のささやき 2025-11-30
時巡りの織音と、ほどけてまた結ばれる時間のはなし
「わたしは、終わりの音をほどいて、はじまりの息に編みなおすの」
ーー時回りの織音
■ 織音がそっと近づくとき
七日ごとに霧散し、また同じ姿に集まり直す“時巡りの織音”は、まるで虹色の呼吸そのもの。背中の螺旋の光輪が、誕生と崩壊の瞬間を同時に映すというのだから、ちょっとだけ世界の裏側を覗かれている気がして落ち着かない。でも当の妖精は、ただ静かに微笑んで、どこかで終わりゆく命の最後のきらめきを拾い集めているだけらしい。
■ 終わりを怖がらないコツは、質量保存みたいなもの
織音は、消えていくエネルギーをそっとすくい、新しい始まりへと紡ぎ替える。その仕草は、小川の流れが一度も止まらないのに、同じ水が二度と触れられないのと似ている。
実際、私たちのまわりでもエネルギーは姿を変え続けて循環している。光は熱に、熱は風に、風は植物のそよぎに乗り移る。不可逆でありながら連続しているという世界の法則は、妖精の仕事ぶりを思うと少しだけ親しみやすく見えてくる。
■ 今日ためしてみる「行動のタネ」
- 身の回りで“終わったもの”を一つ選び、そのかわりに“始めてみたいこと”を一つ決める。
(使い切ったノート→新しいページの最初の言葉、など。) - 夜、部屋の灯りを落として、深呼吸しながら「今日は何が形を変えて続いているだろう」と静かに想像してみる。


