上海で注目集めた、酒と体験を融合するジャパンパビリオン
今朝の沼ニュース 2025-12-16
日本酒や焼酎と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。味や香りだけでなく、その背景にある文化まで伝えられたら――。そんな試みが、2025年11月に中国・上海で開催された「中国国際輸入博覧会(CIIE)」で実現しました。ジェトロは日本産酒類と文化体験を融合させた展示を行い、来場者の心をつかんだのです。
酒類展示に「日本文化体験」を掛け合わせる
第8回CIIE(11月5~10日)に出展したジャパンパビリオンでは、日本酒や焼酎などの酒類・食品展示に加え、日本料理の実演、音楽演奏、花の演出といった文化的要素を組み合わせた空単体験が展開されました。
テーマは「酒から始まる新たな世界の発見」。単なる商品紹介にとどまらず、五感を通じて日本文化を感じてもらう構成が特徴で、期間中の来場者は2,500人を超えたといいます。
「文化経営」という新しいビジネスの形
この取り組みは、食や酒といった商品を、それを支える文化的背景や物語とともに発信する「文化経営」の好例といえます。
「日本酒+体験」という形でブランドを構築することで、価格や品質競争だけではない、文化価値による差別化が生まれています。これは、国際市場での日本ブランド展開において重要な視点です。
地域文化も含めた多層的な価値発信
展示では、沖縄の三線演奏など、地域に根ざした文化表現も取り入れられました。日本文化を一枚岩で見せるのではなく、多様な地域文化を含めて紹介する姿勢が、来場者により深い印象を与えたと考えられます。
酒を入口に、音楽や料理、土地の物語へと関心が広がる構成は、日本文化の奥行きを伝える試みといえるでしょう。
まとめ
上海でのジャパンパビリオンは、日本産酒類を「飲み物」から「文化体験」へと昇華させる挑戦でした。文化資源を経営資源として活用し、国際市場での価値創出につなげるこのアプローチは、今後の日本ブランド戦略にとって大きなヒントとなりそうです。
ニュースソース:https://www.jetro.go.jp/biznews/2025/11/70f5929c21cabdce.html