今週の沼妖精のささやき 2025-11-16
紡錘の断片ー未完の糸を撫でるとき
「物語は、終わらないままで光ることもあるのです。」
ーー紡錘の断片
古びた図書館の奥で、「紡錘の断片」は今日も漂っています。空気の繊維を撫でながら舞い、糸の筆で空に物語を描く。
しかしその物語は、いつも途中で途切れてしまうのです。
“おしまい”を待たずに消えていく物語。それなのに、なぜか心のどこかに残る余韻がある。まるで、あなた自身の中に続きを書く余地を残してくれるように。
人は「完結」を求めます。でも、自然界には「未完」があふれています。
月は満ちても欠けるし、蜘蛛の巣は風で切れ、細胞は常に書き換えられていく。
心理学では、人が未完の課題を強く覚えている現象をツァイガルニク効果と呼びます。つまり、終わらなかったことほど、心に残り続ける。
「紡錘の断片」は、その未完の光を可視化する妖精なのかもしれません。
行動のタネ
今日は、あえて何かを“途中でやめて”みましょう。
読書でも、日記でも、絵でも。
「終わらなかった自分」を責めずに、そこに残った余白を味わってください。
もしかすると夜のどこかで、紡錘の断片がその続きを空に描いているかもしれません。

